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大学院参考书推荐-『研究計画書デザイン』

大学院参考书推荐-『研究計画書デザイン』


   本書は、大学院を目指す人、大学院で学ぶ人を対象にして、その研究計画の設計と枠組み、つまり研究計画全体のデザインを示したものである。研究計画をハウツーとして捉えるのではなく、研究計画を立てながら、同時に、自分自身の考えも深めていけるような方法論を提案している。

   本校の大学院進学クラスの研究計画作成法の授業のメインテキストは、学生支援機構の『実践研究計画作成法』である。しかし、カリキュラムを構想し文章化するうえで、本書に負ったところも少なくなかった。

   その理由は、問題関心を問題意識化させる、つまり漠然とした思いをはっきりとした一つのテーマに絞り込むための方策を丁寧に、体系的に提示している書籍だからである。

   研究テーマを決める方法としては、先行研究が残した課題を自分のテーマとする方法もある。しかし、大学院クラスで学ぶ留学生の場合、このような形で先行研究がスムーズに決まることは少ない。ほとんどの学生は、直接の先行研究が存在しないテーマを選ぶのである。

   また、筆者は、問題関心があちこちに広がり、さまざまであることは自然なことであると肯定し、その地点から研究を立ち上げていくための手助けをしている。大学院進学クラスに入る留学生は、4年制大学の卒業者で、日本語能力試験のN2に合格した学生である。しかし多くの留学生は、テーマを絞り込むのに苦労する。なぜなら、特定の研究テーマを持たず、自分探しに日本に来た学生が少なくないからである。

   以上の理由から、本書で細川が示している方法論は、研究の遅れた、あるいは得意でない留学生の背中を後押しするのに大変有益な方法論であり、日本語学校の現場の課題に応える書籍であると言えよう。

   こうした本書の姿勢が、最も端的に述べられているのは、第2章「研究計画を立てる――その設計と方法」である。

   研究や科学は客観的に行わなければならないということが近代になってから指摘されるようになり、そのために研究計画も客観的にということがもはや常識のようにいわれます。しかし、自分自身が選ぶテーマは誰かがどこかで選んでくれるものではなく、自分で考え、自分で探さなければなりません。そのヒントは自分自身の中にあるわけです。たとえば、ノーベル賞をとったような人の研究のヒントは、常にその人自身が「あれ?」と思ったことやピンと何か感じたことを追求することから始まっているわけです。したがって、あなたの研究のヒントも、決してどこかの誰かに発見してもらうものではなく、あなた自身の「なぜ?」の中にあるといっていいでしょう。これこそが研究のオリジナリティにつながるものだからです。

   このように、徹底的に自分を見つめ、振り返るところから始める姿勢が示される。筆者は、どのように優れた研究も、その人にとってなぜその研究なのかという動機が肝心であるという。思い切って個人的なところから出発し、あなた自身の「なぜ?」を思い切りぶつけてみることを勧めている。

   <このような、ある意味では、自分をさらけ出す作業を自らに課し、それを徹底的に暴きだしてみることで、自己を相対化させていくことが研究であるといっても過言ではないでしょう。(中略)徹底的に自己を相対化し、その結果を③「当面の結論(と考える)」として、自分の考えをまとめることで、自分の言いたいことがようやく姿を現してくるという実感をつかむことができれば、それは、まさに問題関心から問題意識へと、自分のテーマが確定し、これからの深い議論の入り口に辿り着いたということになるのです。>

   では次に、そのようにして絞り込まれた問題意識としてのテーマを、どのように発展させれば研究計画につながるのか。筆者はインターアクションを活用することを勧める。

   インターアクションとは、相互作用のことだが、筆者はデータ、先行研究、他者との対話を指す言葉として使っている。



1.データの収集と検討



データを収集・検討し、仮説の根拠を問い直す。



2.先行研究とのすり合わせ



従来の研究を探索し、自分の仮説の位置づけを考える。



3.他者との議論



自分の意見を他者にぶつけ、他者からも意見をもらい、それを比較しながら、もう一段上の自分の立場を形



成する。


   このように、3つの方法が挙げられているのだが、中でも筆者が強調しているのは、他者との議論の重要性である。

   <入学前の志望段階では、それぞれの志望者が孤立した気持ちで受験を考えているかもしれませんが、ここにこそ大きな落とし穴があるのです。人間の思考は、決して個人の中で閉ざされたものではなく、常に自分以外の他者とのインターアクションの中で醸成されるものだからです。自分の意見を発表しては、他者からもコメントを引き受け、さまざまに思考をめぐらして考えていくこと。このインターアクションを研究計画書作りの方法に取り入れるだけでその成果は見違えるように現れてくるはずです。>

   筆者は、以上をまとめて次のように言っている。すなわち研究とは、「自分自身の問題の発見とその解決のための自己表現であると同時に、その自己を他者に向けてひらき、他者との協働において新しいものごとを創造する行為」なのであると。

ここまで読んだとき、私は、大学院進学クラスで読書感想文、エッセイを始めた動機をつかみ直し、意義を文章化するきっかけを得ることができた。

   読書感想文は、次代の価値を創造してきた文化人の文章を読んで、自分の考えを綴る授業である。文化人の勇気と力強い生き方に接し、触発され、学生は自己と世界を見つめることになる。思い切って背伸びをして、考えを表に出そうとする。そのとき、自らの問題意識が現れる。書き上げた感想文は、日本語教師という他者の感想が付されて翌週戻ってくる。

   エッセイは、「メディア学とわたし」、「経営学とわたし」といった専門分野とわたしの関わりについて思考し、文章を綴る授業である。毎週担任が目を通し、翌週に次の質問が投げかけられる。学生は、即答できない本質的な問いを受け止め、答えを何とか綴ろうとする。つまりエッセイは、学生と、担任という他者との、専門分野についての書き言葉による対話であると言えよう。

   この後、第3章「研究論文を書く――その考え方と方法」では、大学院で研究計画を立てながら研究論文を書こうと考えている人のために、その考え方と方法が解説されるとともに、「考えること」と「書くこと」を結ぶための基本的な方法が示される。第4章「研究計画書の出来上がるまで」では、ある一人の日本語教師がさまざまな過程を経て、研究計画書を仕上げていくプロセスが描かれる。最後の第5章「日本語教師をめざす人のために」では、日本語教育の分野でしばしば使われるようになった実践研究という用語が取り上げられ、その考え方や方向性について述べられる。

   それぞれの人が自らの考えを深化させ、他者に向けて表現できるプロセスを獲得できるようにとの細かな配慮が、すみずみまで行き届いた本である。(織田)


*細川英雄著『研究計画書デザイン 大学院入試から修士論文完成まで』、東京図書、2006年。


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